「ナイルの賜物」と歴史家ヘロドトスに称された古代エジプト文明は、河川沿岸の緑地と広大な砂漠のコントラストから人間の生と死が連想され、「再生復活」の信仰が生まれました。そして太陽の沈む西側を「来世=死者の町」として墓地が、東側を「現世=生者の町」として神殿・王宮が造られました。今も残るギザの三大ピラミッドや、王者の谷で発見されたツタンカーメン王墓などの遺跡群は、こうした死生観の証とも言えます。
本展では、古代エジプト人の思いを追い求めて、黄金に輝くミイラマスクや彩色木棺などの逸品を通じ、偉大なる文明の遺物が語る現世から来世への道のりを辿ります。また、日本初公開となるミイラは封印された永遠の祈りから解き放たれ、5000年の神秘を甦らせることとなるでしょう。これらの貴重な作品はヨーロッパでも名高いエジプトコレクションを所蔵する「ヒルデスハイム博物館」(ドイツ北部、ヒルデスハイム市)から特別出品されます。
ミイラを含む113点、一挙大公開!!