「ロリウッド」とは、アメリカのハリウッド、インドのボリウッド(ボンベイ中心の映画産業)をもじった、パキスタンの映画産業・文化をあらわす言葉です。映画産業の中心地である古都ラホールにちなんでいます。
パキスタンでは、1948年から映画制作が開始され、最盛期である1970年代には年間130本以上の映画が制作されました。近年、外国の映画がDVDや有線放送で視聴可能となり、国内映画は年々下火になってきましたが、映画が最大の娯楽であることは変わりなく、歌あり踊りありの娯楽映画が今でも人気を集めています。
アジアの生活の中にあるアートを紹介する企画展シリーズ「生活とアート」。その第4弾として、パキスタンの映画ポスターを紹介いたします。映画の封切りのたびに張り替えられていく、一過性の存在であるポスター。しかし、そこには単なる広告媒体としてだけでは終わらない、大衆の目を引きつける造形的な魅力にあふれています。本展では、1950年代から90年代までの約100点を展示いたします。パキスタンの銀幕のスターたちや、映画の中の劇的な一場面が描かれているだけでなく、当時の世相や時代の雰囲気、流行のファッションなどもうかがうことができます。
人々の夢や希望が凝縮した、豊かな魅力をもった作品の数々をどうぞお楽しみください。