江戸末期から明治にかけて時代は大きく変化し、わが国はさまざまな文化が西洋から流れ込んできました。絵画も例外ではありません。西洋絵画の迫真的な写実表現に驚嘆した日本の画家たちは、それらの技術を身に付けようと試行錯誤しました。やがて、明治政府より指導者として招聘された西洋人の画家、彼らを師として新しい芸術の道を学んだ日本の画家、さらには早くからヨーロッパに渡り帰国後に画塾を開いた画家らによって、日本の近代洋画の幕が開けられたのでした。本展は、幻のコレクションとして注目を集めてきたヤンマーディーゼルの創業者、山岡孫吉氏(1888-1962)の蒐集品を中心に、ワーグマン、高橋由一ら約70作家、176点の作品により、日本近代洋画草創期の歩みを紹介する展覧会です。また本展にあわせ特別出品として足利ハリストス正教会の山下りん