8世紀前半に中国へ渡り、当時の唐王朝の都・長安で唐王朝につかえ、将来を嘱望されながら現地で亡くなった井真成(セイシンセイ いのまなり)。この井真成という遣唐留学生の名前は史書に記載がなく、いったい誰を指しているのか、その出自じゃ葛井氏なのか井上氏なのか、様々な議論を呼んでいます。
7世紀から9世紀の終わり頃まで、当時東アジアで最も大きな勢力を持ち、最も進んだ国であった唐の諸制度や、文化を学ぶため、前後10数回にわたって派遣された遣唐使は、古代日本に多大な功績を残しています。
展覧会では、画期的な発見となった井真成の墓誌を核として、7~8世紀に日本からの遣唐使がその目で実見したであろう唐文化の精華といえる品々を、遣唐使関連の日本伝来の遺品とともに展示します。遣唐使が目指し、古代日本が範とした唐文化の素晴らしさを改めてご覧いただきながら、日中文化交流の原点に迫ります。