私達の日常生活に欠かせない靴。この靴は、履いて歩くという人間にとって最も基本的な機能を備えながら、デザインという魔法によって驚くほどユニークなオブジェに変貌するものといえます。ヤン・ヤンセンは、そんな靴のデザインの秘密を知っている世界でも数少ない傑出したデザイナーの一人です。
竹を大胆に靴の構造に用いた“バンブー・シューズ”(1973年)の発表で、彼はシューズデザイナーとして国際的なデビューを果たします。その後、1977年に発表した“ハイヒール・スニーカー”は全米で100万足以上も売れた人気商品となりました。90年代に日本でも大流行した厚底靴を最初にデザインしたのもヤン・ヤンセンでした。巨匠と呼ばれる現在も、彼は斬新で独創的なデザインの靴を作り続けています。
本展はヨーロッパを代表するシューズデザイナー、ヤン・ヤンセンの代表作を一堂に展覧する日本で初めての展覧会です。日本展に先立ちオランダのハーグ市立美術館、ドイツの革と靴の博物館で開催され、大きな反響を呼びました。本展では最新モデルも追加し、130点で巨匠ヤンセンの全貌を紹介いたします。