エルンスト・バルラハ(1870-1938)は20世紀ドイツを代表する彫刻家・版画家・劇作家です。彼は「貧困」や「戦争」「死」など困難に耐える人々の姿とその根源的な生への希求を生涯のテーマとし、それを重厚かつ素朴な作風で表現しました。力強い心情表出と逞しい造形表現はドイツ表現主義の特徴ですが、同時に心に沁み入るような深い観照性を湛えたバルラハの作品は観る者を惹きつけてやみません。本展は、木彫を含む彫刻57点、素描76点、版画36点に関係資料などを加え、総数約180点で構成されます。日本で初めて開催されるエルンスト・バルラハの回顧展として、本展は、バルラハ芸術の全容を紹介するまたとない機会と言えるでしょう。