19世紀半ば、オーストリアの皇帝フランツ・ヨーゼフ1世は、ウィーンの街をとりまく城壁を撤去し、環状道路[リング・シュトラーセ]を建設しました。以降、リング通り沿いには、国会議事堂、市庁舎、オペラ座、楽友協会ホール、美術館、博物館などの主要な施設が次々と建てられます。この時代は、リング・シュトラーセ時代といわれ、ウィーンはかつてないほどの繁栄と栄華を享受し、社会が飛躍的な発展を遂げることができた最も幸せな時代でした。
本展では、この時代を中心に華やかな宮廷文化を物語る食器・家具、リング・シュトラーセ時代の市民文化、世紀転換期の美術を展示いたします。またマーラーやヨハン・シュトラウスⅡ世など同時代の作曲家の直筆の楽譜や、舞台デザインなど、音楽やオペラに関連する資料約200点により、芸術の都ウィーンの魅力を紹介します。