日本は豊かなるやきものの国です。そのなかでも特に、日本固有の美的感性が流れ込んだやきものとして茶の湯のうつわがあります。本展では、それらがもつ温かく柔らかな土の味わい、の織りなす幻想的な景色、はつらつとした絵文様など、多彩で魅力的な造形が生み出された背景を追っていきます。古代の猿投窯にはじまり、中世の渥美窯や常滑窯、桃山時代の信楽窯や備前窯にいたる焼き締め陶器の系譜、志野・織部・唐津など桃山時代の陶器、そして楽家代々の茶碗や光悦・仁清・乾山らの華麗な江戸時代の京焼まで、時代の名品を一堂に展観します。