「芸術は爆発だ!」という名言で知られ、絵画、彫刻、写真、デザイン等の制作をはじめ、数多くの著作を残すなど、多彩な才能を発揮した岡本太郎(1911-1996)。1930年代のパリで抽象芸術の渦中に身をおき、前衛芸術家として出発した彼は、戦後の日本で既成の美術の概念にとらわれない、新しい創造芸術の世界を築きました。その足跡は、民族学や文化人類学など日本文化への深い造詣に基づき、常に時代をみつめ挑戦し続ける情熱にあふれたものでした。こうした岡本太郎の活動の軌跡は、時代が変わってもなお鮮烈な輝きを放ち、現代に生きる私たちにとって、重要なメッセージ性を秘めています。
本展覧会は太郎の芸術と生涯を振り返るとともに、彼の芸術に欠かせない父母の存在、漫画家の一平と、歌人・小説家のかの子に関する資料などをあわせて紹介し、「芸術に挑んだ親子」の足跡をたどります。