独自の静謐な画風で知られる洋画家・岡 鹿之助と、資生堂が1947年から開催している「椿会美術展」のメンバーによる展覧会を開催いたします。
「椿会美術展」は、資生堂のシンボルマークである花椿にちなんで命名された展覧会で、資生堂が依頼した作家によるグループ展として、メンバーを変えながら5期にわたって開催されてきました。出品作品はいずれも新作であり、銀座の資生堂ギャラリーを会場にした作家同士の競演の場ともなっていたようです。
「椿会美術展」は、日本画、洋画、彫刻、現代美術と幅広いジャンルにわたる作品発表の場でしたが、今回アートハウスでは洋画に焦点を絞り、資生堂の美術品コレクションの中核となっている「第3次椿会美術展」の創設メンバーであり、同展における洋画家の中心的存在であった岡 鹿之助の4点に加え、「第1次椿会美術展」「第2次椿会美術展」「第3次椿会美術展」に参加した作家の作品30点を集めて展覧いたします。
出品作家は、「第3次椿会美術展」の牛島憲之、脇田 和、森 芳雄らに加え、金山平三、川島理一郎、須田国太郎、曽宮一念(第1次椿会美術展)、鳥海青児、林 武(第2次椿会美術展)の15名。また、第1次から第3次まで出品を続けた、梅原龍三郎の作品もあわせて展示いたします。
大正時代に始まり、戦中戦後の苦難の時代を乗り越えて、美術による文化支援を継続してきた資生堂の活動の一環をご紹介すると共に、昭和の画壇を彩った精鋭たちの作品をご覧いただきたいと思います。