古都エディンバラにあるスコットランド国立美術館は、150年の歴史を誇る英国屈指の美術館です。 ヨーロッパ絵画の名品を有し、とりわけフランス近代絵画の充実した作品郡で知られています。この展覧会では、同館の膨大なコレクションの中から、フランス印象派と19世紀スコットランド絵画を中心に選りすぐりの秀作95点を紹介いたします。
ヨーロッパ諸国が近代化を迎えた19世紀は、芸術の分野においても変革の波が押し寄せました。なかでもフランス絵画は、新古典主義から印象派、ポスト印象派へと多彩な展開を遂げ、各地に強い影響を及ぼしました。一方スコットランドでは、古くから交流のあったフランスはもとより、さまざまな美術に刺激を受けながらも、豊かな自然環境と激動の歴史を背景に独自の芸術を育くみ、開花させてゆきました。
コロー、モネ、ルノワールなどフランスの巨匠たちによる優品と、キャメロンらスコットランドを代表する画家たちの作品をあわせて展覧する本展は、深い関わりを持つ両国の美術の特質を明らかにすると同時に、その美しい風光を反映したスコットランド絵画の魅力に触れるまたとない機会となることでしょう。