足立美術館がある島根県安来市は、緑に包まれ、今なお豊かな自然に恵まれています。美術館の周辺では歴史に名を残す山々や穏やかに流れる川があり、空を舞う鳥たちの姿が訪れる人々の目を楽しませてくれます。四季が訪れる日本では、春には花が咲き誇り、夏は緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、折々に変化に富んだ美しい自然に接することができ、私たちは生活する中でその移り変わりを身近に感じてきました。こうした自然は私たちの心に変化をおよぼし、たとえば、草木が芽吹く春の景色は心を浮き立たせ、落ち葉が舞う秋の景色では物悲しさをおぼえます。そこに自らの感情を移入することでさらに心揺さぶられる光景となって映るのです。日本画の世界でも自然の風景は画家たちを強く引きつけ、多くの作品で描かれています。細やかな自然観照によって様々な視点で描き出された作品からは、画家が抱いた感動がうかがえるでしょう。
本展では「自然讃歌」と題し、人々を魅了しつづける自然を題材とした作品を展示いたします。美しい自然の姿をご覧ください。