重森三玲(しげもり・みれい 1896年~1975年)は、日本の伝統的な古庭を調査し、独自のスタイルで庭に斬新なデザインを取り入れ、昭和の偉大な作庭家として日本全国で活躍しました。三玲は1896年岡山県に生まれ、日本美術学校で日本画を学んだのち、いけばな、茶道、建築など、日本文化全般の研究、および庭園を独学で学びました。1933年、勅使河原蒼風らといけばな界の革新を唱え『新興いけばな宣言』草創文の作成者としても知られています。1936年-38年、本格的な全国古庭園実測調査を手掛け、それを基に自らも作庭に力を注ぎました。公の場における事実上のデビュー作であり、代表作の東福寺(京都東山)本坊庭園は、日本庭史上で初めて市松デザインによる北庭が有名で、生涯に200あまりの作庭をしています。
今回の展覧会では、古庭園の実測図(原画)、自身の作庭として東福寺をはじめとする14箇所の庭園を取り上げ、撮り下ろしの写真と図面(原図)、スケッチ(原図)、映像などにより紹介致します。
併せて中川幸夫、イサムノグチ達との交友関係、いけばな関係の資料なども展示し、三玲が長年にわたり研究してきた成果の全貌に迫る日本で始めての展覧会となります。