2003年5月、弥生時代の始まりがこれまでの定説を約500年さかのぼり、紀元前10世紀ごろになる可能性が高まったとする研究成果を国立歴史民俗博物館が発表しました。九州北部で発掘された弥生時代早期から前期にかけての土器などの年代を、放射性炭素(14C)で測定したところ明らかになったものです。また同様の測定をしたところ、縄文中期も約200年さかのぼることがわかりました。日本の先史時代の実年代を根本的に再検討する必要に迫られているといえます。
時代区分についての論争はしばらく続き、さまざまな研究成果が発表されることが予想されます。近年の考古学ブームとあいまって、今後数年は縄文・弥生に対する関心が大いに高まることでしょう。
こうした時機をとらえて、縄文と弥生にスポットを当てた特別展を開催します。これまでとは違った切り口で両者を対比するとともに、体験型の展示を織り込み、楽しみながら理解を深めることができるような展示構成になっています。
また年代測定に限らず、一般の人にはあまり知られていない縄文、弥生に関するさまざまな研究成果を紹介することで、多くの人に「縄文」・「弥生」に対する新しいイメージを持ってもらうことを目指します。
学校の教科書には載っていない縄文、弥生の本当の姿をお見せすることになるでしょう。