冬の厳しい寒さの中、松や竹は常緑を保ち、また、梅は毎年必ず春の魁(さきがけ)として美しい花を開いて清香を放ちます。このことから中国の人々は松・竹・梅を厳しい環境でもその節度を守り不変の心をもつものとして「歳寒三友(さいかんさんゆう)」と讃えてきました。また、松は不老長寿、竹は平安や子孫繁栄、梅は子孫繁栄(子授け)を象徴するものとされました。このように、中国の花鳥画には、例えば、蓮・水鳥・魚は豊かさ、牡丹は富貴、桃は長寿、葡萄・瓢箪(ひょうたん)・石榴(ざくろ)などは子孫繁栄、鳳凰(ほうおう)は天下泰平、蝙蝠(こうもり)は福というように人々の様々な願いがこめられている場合が多く、それらは吉祥図として人々に親しまれてきました。新しい年を寿(ことほ)ぎ、「歳寒三友」を中心に中国の吉祥図を特集します。