岡本太郎は、大阪万博の際に人気を博した「太陽の塔」をはじめ、数々の彫刻、絵画、著作を遺し、テレビでも人気を博すなど多彩な才能を発揮した、戦後日本を代表する前衛作家です。 彼は1930年代のパリに留学し、アプストラクシオン・クレアシオン(抽象・創造協会)運動に参加するのみならず、ソルボンヌ大学で民族学を修め、同時に文学者や哲学者と交流するなど、自由で幅広い知識を吸収しました。戦後彼は既成の芸術に異議を唱え、縄文土器を見出したり、膨大な著作を著したり、テレビに登場したりと各方面で活躍し、常に新しい芸術を提唱し続けました。「芸術は爆発だ!」。この言葉通り、彼は生涯をかけて既成の芸術を打ち破り、新しい芸術を生み出そうと戦い続けました。そのすさまじいエネルギーは彼の両親、著名な漫画家である岡本一平、文学者の岡本かの子という、豊かな土壌から生みだされたものといっても過言ではありません。本展では川崎市岡本太郎美術館所蔵の作品をもとに、一平・かの子の作品も展示し、芸術に執念を燃やした親子三人の軌跡をたどります。
●予定イベント
2006年1月28日(土)
明治学院大学文学部教授/フランス文学者 巖谷國士(いわやくにお)氏による岡本一家についての講演会。
2006年1月29日(日)
トーク&上映会 14:30-
太郎が登場人物をデザインした、幻のSF名作「宇宙人東京に現る」の上映会。上映前に、ウルトラマンに登場する怪獣、ダダやブルトンの命名者でもある巖谷國士氏によるトークを予定。