東寺は平安時代初め、鎮護国家の官寺として出発しました。
ついで弘仁14(823)年、空海が嵯峨天皇より東寺を賜ったことにより、真言密教の根本道場の側面が付加されます。
さらに鎌倉時代になると宣陽門院・後宇多法皇などの庇護を受けて東寺における弘法大師信仰が高揚してきます。
ことに宣陽門院の御願として延応2(1240)年3月21日に初めて西院御影堂で行われた弘法大師命日の法会、西院御影供は、東寺をして弘法大師信仰を中心にした中世寺院へと大きくその性格を転換させました。
これらの東寺の多様な諸側面はその時々の法会・仏事などの年中行事の中に現れてくるものと考えられます。
今回の展示では、
1.「年中行事諸記録」
2.「宣陽門院・後宇多法皇」
3.「年中諸行事」
4.「仏事と寄進田」
の4グループを設けて、中世東寺、とくに御影堂の年中行事の様子がわかるように構成しています。