日常生活の中にいつも音楽があったルオー。父アレクサンドルはパリでピアノなどを製作する家具職人をしており、また妻マルトはピアノの教師をして生活を支え、そして娘たちの歌声は作品制作イメージの源となりました。多くの詩人と交流し、自ら詩作もしたルオーは言葉のリズムやメロディーも追求しました。愛読したボードレール『悪の華』の挿絵は、詩の音楽的特質を捉えたものだといわれていますとらえたものだといわれています。本展では、第一部で「サーカスの画家」といわれるルオーの描いた道化的人物と当世歌を紹介します。第二部では新収蔵品『回顧録』を初公開し、ルオーと当時活躍した詩人や芸術家たちとの交流を探ります。そして第三部では『悪の華』の挿絵を展示いたします。これまで多くの画家が『悪の華』の挿絵を手がけましたが、三大『悪の華』として名高いルオー、ルドン、ロダン(複製)の挿絵をこのたび一堂に特別出品いたします。ルオーの生きた時代背景をたどりながら、作品の中にみられるルオーと音楽の関わりをお楽しみください。