古川美術館所蔵の名品『ブシコー派の画家の時トウ書』。時書とは、一般の信徒が使用した祈祷文書のことです。1412年頃にパリの工房で制作されたとされる本書は、欄外装飾や飾り文字など、聖なる祈りの言葉を輝かせる華麗な装飾が至るところに施されています。制作当時の装丁をそのままに伝えるものは世界でもわずかといわれ、完本として残されたこの貴重な本書を4年ぶりに公開いたします。
本展は、この見事な自然文様の“装飾”に着目しながら、彩飾写本の世界とその写本を参考にしてアーツ・アンド・クラフツ運動を提言したウィリアム・モリスの精神、自然への回帰を謳ったアール・ヌーヴォー様式の装飾品などを紹介し、近代デザインと中世美術との関わりに迫ります。
テーマ1【第1展示室】
「彩飾写本の魅力」:彩飾写本の欄外装飾の魅力を中心にご紹介しております。
テーマ2【特別展示室】
「生活の中のアール・ヌーヴォー」:現在でも多くの人々に愛されるエミール・ガレの家具など、異なる木々を組み合わせて模様を作る寄木象嵌装飾をご紹介いたします。
テーマ3-①【第2展示室】
「中世への夢~ウィリアム・モリスが目指したデザイン」:生活環境を総合的に彩る装飾の姿をご紹介いたします。
テーマ3-②
「中世の夢~輝く美」:人を彩る装飾品、中でもシルバージュエリーの輝きをご紹介いたします。
テーマ4-①【第2展示室】
「アール・ヌーヴォーの世界~ガラス装飾」
イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の影響を受けて誕生し、流麗で装飾豊かなアール
ヌーヴォー様式のガラス工芸を中心にご紹介いたします。
テーマ4-②
「アール・ヌーヴォーの世界~ポスターの普及」
ミュシャの作品を中心にポスター芸術をご紹介いたします。