尾張の国(現・愛知県)に父・盛豊の第四子として生まれ、槍働き一筋で、主を替えながらも戦国時代を生き抜き、大功を成した山内一豊(1545-1605)。
父の戦死により若くして放浪の身となった一豊は、豊臣秀吉にその槍使いを認められ、秀吉の家臣として織田信長の浅井・朝倉責めに参加。朝倉の将・三段崎勘右衛門を討ち取るなど大きな働きを見せました。
このころ生涯の伴侶である夫人(見性院)と出会ったといわれています。
信長没後は、豊臣秀吉の天下統一への道とともに、時代の流れに乗るように出世を重ね、やがて、徳川家康に関ヶ原の合戦での働きを評価され、掛川城主から土佐藩主となり、土佐藩の礎を築きました。
一豊がここまでの地位を築くことができたのも、夫人の存在が大きいと言われており、「内助の功」として数々の美談を残しています。
本展覧会は、平成18年のNHK大河ドラマ「功名が辻」と連動して開催するもので、卓越した時代感覚と器量で戦国の猛者たちと渡り合い、土佐の国を治めた一豊や夫人の人となりを、彼らゆかりの文物により、その時代背景とともに紹介します。
また、秀吉の妻・高台院(おね)や淀君(秀吉側室)をはじめとした戦国時代の女性たちに関係する歴史資料も展示し、戦国の世の女性たちの生き方を紹介するとともに、16代に渡り土佐藩主を務めた山内家から高知県に移管された6万6千点を超える山内家伝来の名宝の中から、選りすぐりの品を展示し、近世大名の華麗で洗練された文化も紹介します。