19世紀英国で最も傑出した芸術家・思想家の一人であったウィリアム・モリス(1834~96)。その壁紙やテキスタイルは、100年以上経った現在でも日常生活の中に生き続けています。 青年時代に建築家を志したモリスは、当時の粗悪な大量生産品に異を唱え、クラフツマンシップに則った質の高い室内装飾品の製作を目指しました。1861年に設立したモリス・マーシャル・フォークナー商会(1875年にモリス商会に改称)は、モリスの夢だったあらゆる生活空間のトータルデザインを手がけました。商会設立当初、最重要部門だったのがステンドグラスです。本展では、英国各地の教会に点在する主要作品をフィルムに再現し、一堂に展示することで、初めてその全貌に迫ります。また、伝統的な技法をもとに木版と天然顔料でつくられたオリジナルの壁紙や自然染料でプリントされたテキスタイル、サセックス・チェアなどの家具調度品、照明器具、タイル、書籍なども出品されます。モリスのインテリア世界を体感するまたとない機会です。