おなじみの「聖フランシスコザヴィエル像」をはじめ、当館所蔵の名品をまとめて見ていただく今年唯一の機会です。
桃山時代にポルトガルやスペインの影響を受けて流行した南蛮美術では、「ザヴィエル像」のほか「泰西王候騎馬図」「南蛮屏風」「織田信長像」(いずれも重要文化財)など、当館の代表的なコレクションが並びます。
また江戸時代の唐・紅毛-つまり中国やオランダから影響を受けた絵画のコーナーでは、今回は唐と紅毛を別々に並べるのではなく、両者がどのように違い、どこに共通点があるのか考えてみようという狙いで、唐・紅毛の似たような画題をペアにして展示することにしました。
たとえば中国伝来の花鳥画と、オランダから輸入された花鳥のある静物画とではどのように雰囲気が違うのか。また同じ富士山を描いても、中国式の技法と西洋式の技法ではどのように変わってくるのか。いろいろ比べながら楽しんでいただければと思います。