この展覧会は「よむ」ことをキーワードとした、美術と短歌・朗読のコラボレーションです。会場には、当館所蔵の美術作品と、それらをもとに県内外の歌人が詠んだ短歌作品を展示します。また、作品の前での朗読会を開催します。美術作品を見ることは、絵画や彫刻など形で示された芸術家の世界をよむことでもあります。そして、見ることから触発された感興を、短歌を詠むという形で示す、また、文学作品を朗読する(読む)という行為で表すことは、鑑賞を、見るという立場から一歩進んで、表現するという能動的な姿勢へと展開させます。この展覧会では、「歌人や朗読会の出演者はそのようにこの美術作品を見たのか」ということを手がかりに、「では、自分ならどのように見るか」と作品と対峙するような、観覧者の方々の積極的な営みが繰り広げられることを願っています。