徳島県立近代美術館の所蔵作品を中心にして、そこにひと工夫加え、幅広い視点で美術を楽しもうという展覧会です。今回のテーマは音楽。美術と音楽は、どちらも芸術ですが、絵画や彫刻などの美術は、主に目でみるのに対して、音楽は耳で聞くものです。でも美術と音楽は密接に関わっています。 本展では、音楽家と関わりの深かった美術家の作品、音楽や音をモチーフや造形要素として取り入れた作品、音楽のある情景などを集めました。クレーやカンディンスキー、マティスなどの近代から現代の所蔵作品に、他館から借用した作品を加えて音楽と美術との関わりをご紹介します。 展覧会名にあるコレクション+α(プラスアルファ)には、いくつかの意図が込められています。まずは、コレクション(当館の所蔵作品)に他館からの借用作品を一部加えることで、コレクションの違った魅力を引き出すことが第一点です。次に、美術+音楽。これは展覧会のテーマでもあります。会場内では、展示作品と関連する音楽を流し、会期中の週末を中心にフルート奏者の川人伸二さんと仲間達による生演奏のサロン・コンサート(全21公演)も行います。そして第三点は、アーティスト+県民の皆さんの参加。野村さんのワークショップを通して、県民参加によって生まれた音楽が出品されます。 美術好きな方だけではなく、音楽好きな方にも、ひと味違った美術の楽しみ方を発見していただける機会になることを心から願っています。