昨年秋、岐阜県はドイツ国内2会場で日本と岐阜県の文化を紹介する展覧会を開催しました。今回の展覧会は、現地の人々に大好評を博した同事業の帰国展として企画されたものです。
展示では、岐阜県ゆかりの名品から、桃山と現代の選りすぐりの陶磁器・染織・書画・刀剣を集めた「美術展示」、身近な工芸品をとおして日本人の心を探る「日本の心と形」、そして、日欧の交流史を物語る「シーボルト・コレクション展示」の三つで構成されます。
独自の風土が育んだ日本の生活と文化。わけても岐阜県は、木曽三川が縫う、起伏に富んだ山野に独自の文物を生み育ててきました。本展ではこれらをテーマ毎に配し、一望できるように配慮しました。ドイツの人々と同じように、良質の和紙や絹を産し、優れた陶磁器や刀剣の産地として知られる岐阜の伝統文化を再発見できることでしょう。
この帰国展では、とくに、国立ミュンヘン民俗学博物館が所蔵するシーボルトの収集品が見所です。200年前の激動の時代に生きた西洋人が、日本の姿をいかに見たのか、貴重なコレクションにご注目ください。