朝顔は古くから人々に親しまれ、江戸時代以降は、文化・文政・天保期、嘉永・安政期、明治・大正期の朝顔ブームが繰り返し訪れました。朝顔ブームでは、葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔がつくり出されてきました。これは、今日の遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという世界でも特異なものでした。幕末には、今日にも受け継がれてきた約1200系統のほとんどがつくり出されていたと考えられます。残念にもそれら変化朝顔は広く知られることなく、細々と愛好家によって保存されてきました。
本展は、このような状況にあって、江戸時代以降の独創的な知恵と技術を駆使して作り上げられた生きた変化朝顔を広く知ってもらいたい、歴史資料とを重ね合わすことで、人と植物のかかわりの歴史を見直そうとするものです。