本展覧会は清家清の人間的魅力とそこから生み出された珠玉の作品群を、多様な資料を用いて紹介する初の試みです。特に代表作≪私の家≫(1954 東京都大田区)の原寸大模型からは、清家氏が提案した「広く住まい、時に応じてしつらえる」暮らしをつぶさに体験することができるでしょう。トイレにドアがない開放的空間、随所に見受けられるウィットに富んだ工夫やデザインは50年の時を超えて、なお新鮮さを失っていません。
また、清家清についてさらに深く学べる連続シンポジウムや≪私の家≫≪斉藤助教授の家≫(1952)などをめぐる見学会もあわせて開催します。清家清の人生と業績を体感することで、私たちの暮らし方や建築について再考する機会となれば幸いです。