このたび川村記念美術館と佐倉市立美術館は「世界の呼吸法―アートの呼吸 呼吸のアート」展を開催いたします。本展は、アートの体験および制作のプロセスを「呼吸」をキー・ワードとして紹介します。
アートにおける呼吸には様々な側面があります。たとえば音楽のブレス(息継ぎ)やダンスの「間」や体の揺れ動きは呼吸と直接結びついています。絵画や彫刻作品が生まれるときの作家の手や皮膚感覚の息づき、作品のイメージが生き生きと現われるときの息吹、われわれが作品の前に佇み体験する際のイメージとの間で交わされる共生感なども呼吸と言えましょう。
アートと人間との出会いとは、イメージの呼吸であり、アートは「世界を呼吸するそれぞれの流儀」であると言ってもうよいかもしれません。
本展は、絵画、彫刻、映像、写真、メディア・アート、音響、ファッション、身体表現など多彩な芸術表現の呼吸する空気に満ち溢れております。
今回初めて佐倉の二つの美術館において開催される本展は、あたかも「呼吸」と「呼気」のように、両館の間で人々の行き来が生まれ、佐倉をアートで呼吸する機会を提供することでしょう。