1839年に写真が公表されてから、160年以上が経ちます。ダゲレオタイプで産声をあげた写真は「記憶を持った鏡」と言われ、うつろう時の瞬間を留めようとする人々の情熱によってたゆまなく進化し続け、今や誰もが利用するメディアとなりました。洋の東西を問わず、写真ほどこのような短期間で発達し、さまざまなスタイルを確立してきた美術分野はありません。
本展は、国内有数の写真所蔵を誇る島根県立美術館の欧米写真のコレクションをお借りして、ダゲレオタイプから現代の写真まで、制作年代を追って詳しくご紹介するものです。その短いようでいて、バラエティに富んだ写真の歴史と魅力を、ごゆっくりお楽しみいただければと思います。(出品点数: 欧米の写真、写真集などの本、その他資料 約270点)