レアリスム(写実主義)の巨匠ギュスターヴ・クルーベ(1819-77)は、フランス東部、スイスに近い小都市オルナンで生まれました。現在のその生家はクルーベ美術館として多くの観光客が訪れています。
クルーベは歴史画重視の古典主義やロマン主義が主流であった19世紀半ば、現実をありのままに描写し把握することを自らのテーマに掲げ、様々な非難を浴びながらも、生活感溢れる作品を発表し続けました。そしてその視覚を重視した客観描写は近代絵画に新たな息吹を与えたことはよく知られています。
クルーベ美術館では、彼の初期から晩年までの作品とその資料、また周辺の画家たちの作品を所蔵しています。このたび、クルーベ美術館の改修を機に、日本で「クルーベ美術館展」を開催することになりました。
本展では、クルーベ美術館所蔵の充実した作品群により、彼の芸術の多彩な魅力とともに人物像に迫るまたとない機会といえるでしょう。