海と山の自然に恵まれ、また地理的に畿内の出入口にあたる神戸の地は、古代から和歌の歌枕(うたまくら)や古典文学に登場し、源平の史跡をはじめ多くの名所が生まれました。江戸時代にはいると、和歌や文学をはなれた景色が描かれるようになります。
開港以降、異国情緒あふれた港都の賑わいは人気を博し、神戸のイメージを決定づけることになります。とくに芸術家の眼を通してとらえられた神戸の風景画には、名所だけでなく、成長する近代都市のさまざまな側面が表現されています。
この展覧会では、神戸を舞台とした物語絵や名所絵、神戸を描いた風景画など、約160点の資料をとおして、神戸のイメージがどのように形成されてきたのかを紹介し、神戸の魅力を震災10年にあわせて発信します。