戦後日本の画壇で、独自の活動をした現代画廊の経営者、洲之内徹の収集したコレクションによる展覧会。
巨匠とか、名品とかといった他人の評価に頼るのではなく、ただただ自分の目にかなう作品、自分が欲しいと思う作品ばかりを集めたこのコレクションは、結果的には、有名作家の名品も多数含まれる一方、一般には無名ながらも、他にはない独特の表現を持つユニークな作家の作品がその半数を占めることになりました。
『芸術新潮』で長期連載し、その後まとめた『気まぐれ美術館』ほかのエッセイ集でそれらの作品にまつわるエピソードを愛情込めて語り、大変人気を博したこの洲之内徹の目によるこれらの作品は、美術というものは、本当に自由に、自分の思うがまま、「気まぐれ」に見てよいものなのだということを、改めて我々に示してくれていると思います。90作家、146点。