戦禍で東京の家を失った清方は、戦後まもなく鎌倉に移り住みました。このころ、同じ鎌倉に住む大佛次郎が文芸誌『苦樂』を創刊する時、表紙絵を描いています。
今回は、≪卓上芸術≫※の傑作「朝夕安居」をはじめとして雑誌『苦樂』とその表紙絵(下絵)、また「日展」への最後の出品作となった「先師の面影」など晩年に描かれた作品を中心にご覧頂きます。
※≪卓上芸術≫
展覧会場で掲げて見る<会場芸術>や<床の間芸術>に対して「手に取って卓上に広げ、こまかい筆遣いを味わえる作品」を清方自ら≪卓上芸術≫と名付けて、力を注ぎました。