日本のやきもの文化の歴史は長く、しかも欧米とは異なる食文化をもっています。しかし、今日の私たちの食卓は和食器にも洋食器にも彩られ、ヨーロッパのブランド陶磁器も私たちの生活の身近に深く浸透しています。中国や日本の磁器に憧れ、それを手本として開発されたヨーロッパの磁器に、現在の私たちは魅了されているのです。国境を越えて愛されつづけるこうした名窯ブランドの秘密を探るため、ヨーロッパの代表的なブランド陶磁器をご紹介することになりました。
今回は、マイセン、リチャード ジノリ、ロイヤル コペンハーゲン、ウェッジウッドなど、名窯と呼ばれる24のヨーロッパのブランドの製品を展示します。各ブランドの代表的なシリーズのティーセット、しかも現在日本で入手可能なセットを中心に陳列することにより、これらのブランドが、世界中で愛されてきた理由を検証し、陶磁器と私たちの日常の新しい関係性を探ります。いずれのブランドも現行のものとはいえ、その名がい歴史のなかで試され鍛えられてきた意匠と技術への誇りをうかがわせるものです。みなさまを華麗なるヨーロッパの世界へご案内します。