19世紀末から20世紀前半にかけて、のちにベル・エポック(よき時代)と呼ばれる時代の装飾芸術家ルネ・ラリック(1860~1945)のガラス作品に焦点をあてた展覧会を開催します。
宝飾デザイナーとして出発したラリックが、ガラス工芸家として知られるようになるのは20世紀の初頭のことで、アール・ヌーヴォーの旗手エミール・ガレ亡き後のガラス工芸界の第一人者として活躍することになります。ラリックの作品は斬新な技法と作風によって芸術性と高級感を兼ね備え、また、室内装飾、自動車用品など、ガラスの応用分野を広げていきました。モティーフにも、鳥や植物のような自然や、神話や故事に題材を得た浪漫的なもの、さらにはアール・デコ的な幾何学的、象徴的な表現まで多岐にわたっています。
これを機に、ルネ・ラリックという稀代の芸術家による光と色彩のファンタジーの世界をお楽しみください。