1980年代終わりに同人誌活動を経て彗星のごとくデビューし、世紀末をはさんでマンガ界激動の時代を駆け抜けてきた、女性4人(いがらし寒月、大川緋芭、猫井椿、もこな)のスーパー・ユニットCLAMP。
インド古代神話をモチーフにしたデビュー作「聖伝」や、アート感覚あふれる「東京BABYLON」、壮大な構想の「X ―エックス―」など初期のSFサイキック・アクションから、一転して魅力あるファンタジーによって、子どもから大人にいたるまでファンを幅広い年齢層に広げた「魔法騎士レイアース」「カードキャプターさくら」「ちょびっツ」など、次々と繰り出されるCLAMPの作品はつねに多くの読者を魅了してやみません。
そして近年は、別々の雑誌で、二つの作品世界をリンクさせるという斬新な挑戦を「ツバサ」と「xxxHOLiC」によって果敢に展開しています。
作品ごとに明確に異なった方向性を示しながら進化し続ける、華麗で多彩なCLAMPアート・ワークの数々を、4つのテーマ<喜-怒-哀-楽>に基づいて、カラー原画を中心に振り返ります。
そして、つねに様々なジャンルのマンガ出版媒体に挑戦してきたCLAMPの作品は、いろいろな形でアニメーションなどの映像や音楽・ドラマCD、多種多様なノベルティ・グッズに発展しています。
驚くべきことにそれらの隅々にまでCLAMP自らのデザイン的なセンスがしっかり行き届いているのです。
このトータル・アーティストとしてのこだわりを、多様なメディアに展開された各種資料の展示や、映像作品の上映などによって幅広く紹介します。