小山市に暮らしてきた三代の画家、五月女哲平、五月女政巳、五月女政平の作品を展示します。
ひとくちに三代の画家と言っても、おおよそ三十歳ずつ離れた三人は、過ごした時代も、辿った経歴も異ります。抽象的な作品を手掛ける哲平さんは、いま四十代。東西冷戦が終結し、グローバル化が進んだとされる時代に十代を送り、ちょうど三十歳のときに東日本大震災を経験しました。高校教員をしながら風景画を描いてきた政巳さんは、七十代。昭和三十年代に始まる高度成長とともに大人になり、バブル全盛期に働き盛りを迎えていました。そして十年前に九十代で亡くなった政平さんは、二十代を兵隊にとられ、敗戦後の先行きの見えない世界のなか独学で画家を目指したのでした。
本展は、三人の絵を一度にご覧いただける貴重な機会となります。それぞれの傑作をじっくり楽しんでいただけるほか、哲平さんの新作や、政巳さんが近年情熱を注いでいるスケッチ、政平さんの初期の作品などを公開します。ぜひ見にいらしてください。
本展ゲストキュレーター 鈴木葉二