最小限の要素で高速に球が行き交う卓球の動的瞬間を見事に紙面に定着してみせた「世界卓球2015」や、フェンシングの選手の躍動的な身体とともに剣の軌道を美しくも科学的に視覚化した「Visualized Fencing. Yuki Ota Fencing Championships 2014」のポスターなど、力強いヴィジュアルメッセージが印象的な上西祐理。
本展1階では新作「Now Printing」を展示します。自ら撮影した2006年以降の日々の断片を中心に、写真とグラフィック、具象と抽象、現実と非現実、普遍と刹那、デジタルとアナログ、それらの境界を往来しビジュアルに。物質を伴った存在として再変換され生み出された、大小様々な印刷物=Printed Matterとして展示します。会期中、会場に置かれたプリンターからも日々出力し続け、約2週間ごと、計2回の展示替えも行う予定です。
地階にはこれまでの仕事のアーカイブを展示します。デザイナーの作ったものは概ね日常的に使われるものであるように、本棚やハンガーラックなど使用される姿に近い状態で展示し、一部のものは手に取り見ることができるように配します。また一見華やかに見える制作物や仕事の裏で生み出される、途中の膨大な検証や試作や校正などの一部も展示します。会期中も少しずつ変わっていく、進行形の上西祐理展にどうぞご期待ください。