瑛九(えいきゅう、1911-60)は、油彩画のみならず、写真、版画など多分野で創作活動を行い、作風も印象派やシュルレアリスム、キュビスムなどに刺激を受けながら、めまぐるしく変貌し、絶えず新しい表現を模索し続けました。また、批判的精神を持ち続け、美術や社会に関する評論活動を精力的に行い、「デモクラート美術家協会」を組織するなど指導者としての顔も持った瑛九の存在は、その作品とともに、同時代や後進の芸術家たちを惹きつけ多大な影響を与えました。
本展では、最初期から絶筆に至るまでの油彩画を中心に、「フォト・デッサン」による写真作品、銅版画やリトグラフなど、各分野の代表作による約100点を一堂に展示します。自ら理想とする美を追求し続け、戦前・戦後を駆け抜けた瑛九の軌跡を紹介します。