当館のコレクションによる企画展『うつわとウツワのかたらい』展を開催します。これまで、当館では、日本国内はもとより、海外27カ国から610点の作品を収蔵して参りました。こうした収蔵作品を、一人でも多くの皆様に、楽しく充実感をもって鑑賞していただけるようにと、テーマ設定そのものを考えさせていただきました。本展では、空間を抱え込むくぼみがみられるものを“うつわ(ウツワ)”とし、その多様な“かたち・いろ・つちはだ”に着目してみました。そして、年代や技法・地域など、これまでの焼き物に対するとらえ方を今回、一度離れ、新鮮な切り口から新しい価値を発見しようといたしました。
「あったらいいな…こんな作品と作品のかたらい」
これをキーワードとし、ワクワク・ドキドキできるような展示を目指しています。
そこで、作品選定の二つの方向性を定めました。
一つ目に、互いの違いが際立つ、「異なる表現」をもち、これまで同時に展示されることがなかった作品同士の出会いを演出すること。そして、二つ目に、つながる琴線とでも言える、「共通項」をくくりだし、作品同士のかたらいを演出することです。
このような、出会いを得た“うつわとウツワ”が一つどころに存在するなかから、新たな価値を鑑賞者自身の心で発見していただければ幸いです。