曽谷朝絵は、日常で出会う色と光から着想を得て、身体感覚を呼び覚ますような作品を制作してきました。川崎市市制100周年を記念する本展では、絵画とインスタレーションが展示されます。参加型インスタレーション「もりのいろ」では、曽谷の植物の線描のシールに、来場者が自由に色を塗って白壁に貼り重ねていきます。シールは市内の様々な施設にも配布し、塗られたものも貼られます。会場にいる人といない人の塗り絵が合わさって、それぞれの色を映した巨大な万華鏡のような森が、会期を通して生成されてゆくのです。さらに、曽谷の水彩がアニメーションとなって空間に投影される映像インスタレーションや、油彩画、アクリル画など彼女の全ての作品の源流としての絵画が展示されます。タイトルの「Colorings」には、「色を塗る」と「色の輪」の両方の意味があり、まさに色によって人が繋がり、いくつもの輪が生まれるような展覧会となることでしょう。