田辺市立美術館では、2017年から日本の高度で独創的な織による造形表現を展観する展覧会シリーズ、『現代の織』を開催しています。伝統的なものと独自なものとを素材と技法において連動させ、時代を反映する新しい織の表現によって世界に通じる作品を制作している、現代の優れた作家を特集して紹介しています。
今年度の「現代の織Ⅶ」では、自然から得た感興をもとに、織りと結び(マクラメ)などの技法を組み合わせることで有機的な造形を生みだして表現する、佐久間美智子(1945~)の芸術を紹介します。
作品の構想とともに素材となる繊維を選択し、染色して糸を紡ぐことから制作を始め、造形の時間の中で表現を熟成させてゆく内省的で精神的な独自のスタイルを確立している佐久間の、最初期から最新の作品までを展観します。