「四君子」とは梅・蘭・菊・竹の気品ある姿を「君子」の風情にたとえた言葉です。中国の宋では「四君子」を文人精神のありようを象徴した植物として詩や絵画などに表現されました。
朝鮮では高麗・朝鮮時代の士大夫や文人らによって「四君子」が愛好され、うつろう自然のなかで気高くその姿を保つ「四君子」は、あこがれの身近な存在でした。とりわけ水墨画の竹は、簡単な題材でありながら熟練した筆法を必要とするため、文人画のなかの筆頭に位置づけられました。
「四君子」は書画だけではなく、象嵌の青磁、朝鮮時代の白磁、あるいは螺鈿などで細工された木工家具のたぐいにも表現されています。雅びで気品のただよう「四君子」との出会いを味わっていただければ幸いです。