広島市出身の漫画家・こうの史代(1968-)による「原爆」をテーマにした漫画『夕凪の街 桜の国』が、今年で出版20周年をむかえます。本展では作家から寄託を受けた作品の92点の漫画原画すべてと、カラー原画やネーム等の資料を皆さまにご紹介します。
物語は、原爆投下から10年後の広島で暮らす被爆者(『夕凪の街』)と、42年後(『桜の国(一)』)、59年後(『桜の国(二)』)の、東京で暮らす被爆二世の日常がテーマです。作家は「原爆」をテーマにすることについて少し苦手意識がありましたが、被爆地以外の人々に知ってもらう機会になればという気持ちで取り組みました。作品は反響を呼び、2024年に第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、2005年に第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞する等、高く評価されただけでなく、映画や、ラジオやテレビでドラマ化になるなど、漫画を読まない人たちにも広く知られる物語となりました。
本展では、漫画『この世界の片隅に』から、原爆について描かれているエピソードを選び、あわせて展示します。この機会にぜひご覧ください。