私たちの周囲に当たり前のように存在する光は、人間の目に明るさを感じさせ、心を明るくさせ、生活にさまざまな恩恵をもたらしてくれますが、実体として捉えることはできません。プリズムを通して屈折、分散した光が虹光を生み出すように、私たちは何かを介して光を捉え、その諸相を知ることができます。目に見えないものを何とか自分なりに理解し、実感しようとすることは、人間が太古の昔から連綿と続けてきたことであり、アートもそういった営みの一つであると言えるでしょう。
本展では、「光」を切り口に、現象としての光だけではなく、メタファーとしての光、そして光によってもたらされるもの―闇、影、時間、宇宙など―まで、姫路市立美術館のコレクションをベースに光の表現の多様性を紹介しながら、光とは?アートとは?を考えます。 姫路市立美術館