芹沢の型染の世界。
それは「絵」からはじまった。
少年のころから絵を得意とし画家を夢見ていた芹沢銈介。後に「型絵染」の重要無形文化財保持者(人間国宝)となり、世界的な作家としても評価されますが、その根底には少年時代から脈々と流れる絵心がありました。晩年になると「ガラス絵」や「板絵」などの絵画作品も積極的に制作し、作品のアイデアを即興的に描いた絵を貼りこんだ「手控帖」は、画家バルテュスが「芹沢は魔法の手を持っている」と絶賛したほどでした。この展覧会では、ガラス絵、板絵、手控帖など、当館の収蔵品の中から、芹沢の絵画作品約四〇点をご紹介します。