内を見る事は同時に外を感じ、内の世界は外を見ないとその本当の意味が分からない。理解しようとする世界を片方からだけでは捉えきれず、すべては表裏一体。「阿吽」「有無」「陰陽」など、同次元の事を両側から語り、絵画では線がそれを象徴的に表す。また静けさは蛙が飛び込む事で気づかされ、「豊かさ」「幸福」なども他を意識した各自のイメージが相対的に作る概念的で曖昧な語彙。そんな内と外の摩擦の中で確かなのか分からない自己としての意識を持ち、一個体の中でも全ての細胞が常に流動的に入れ替わっているようにフワフワと存在しているように思える。
外側から来る知覚的遊びからの内側で生まれる認識のゆらぎを視覚化する事で、新たな座標軸のような表現が出来ればと…。是非ご高覧賜りますようお願い申し上げます。