江戸時代の人々の身近なメディアであった浮世絵版画は、現代でいえば、最新ファッションを知るグラビアであり、ひいきの芸能スターのブロマイドであり、旅情を誘う観光地の絵はがきでした。憧れの遊女、歌舞伎や相撲興行、寺宝の開帳などの娯楽情報だけでなく、大地震が起こると「鯰(なまず)絵」が出回り、はしかが流行すると予防やまじないとして「はしか絵」が出版されるなど、世相を反映した浮世絵も流通しました。
この度の展覧会では、江戸の人々が浮世絵に何を求め、どのように使っていたかという視点で、テーマごとに作品を展示します。浮世絵を通し江戸時代へのタイムスリップをお楽しみください。