彫刻の森美術館は、開館55周年を記念して、彫刻家 舟越桂(1951~2024年)の展覧会を開催します。
自然の中で人々と芸術家が交流する場として誕生した日本で初めての野外彫刻美術館である『彫刻の森美術館』。作品は芸術家の言葉であると考える当館が、周年を記念した展覧会にと2023年3月に舟越桂氏に依頼したことから本展の企画が始まり準備が進められてきましたが、2024年3月29日舟越桂氏が逝去されました。本展は、最期までこの展覧会の実現を望み、励んでくださった作家本人の意思と、ご遺族の意向を尊重し開催されます。
〜森へ行く日〜
「遠い目の人がいる。
自分の中を見つめているような遠い目をしている人がときどきいる。
もっとも遠いものとは、自分自身なのかもしれない。
世界を知ることとは、自分自身を知ることという一節を思い出す。
私が感じている人間の姿を代表し、象徴してくれるような個人に出会った時、
私はその人の像を作ってみたいと思う。」(創作メモより)
遠くを見つめるまなざしを持った静かな佇まいの人物像で知られる彫刻家舟越桂。生涯を通じて人間とは何かを問い続けた彫刻家の作品の変遷とその創作の源となる視線に迫ります。