8月生まれの鏑木清方は四季ではことに夏を好み、作品やスケッチに夏の風物を多く描きました。中でも、子どもたちが夏休みになると滞在した横浜・金沢の別荘での日々は特別で、作品の着想を得ることにもつながりました。金沢の情景に取材した作品に、長女と蓮田を散歩した早朝の風情を描いた《朝涼》や、家族や弟子らが山路の散策を楽しむ姿を描いた絵日記などがあり、これらの作品からは近しい人たちに向けた清方の温かな眼差しが感じられます。
本企画展では、横浜・金沢での夏のひと時を楽しむ清方一家の様子を、作品や絵日記、スケッチでご紹介します。